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No.00149

お、目が覚めたな。気分は、どうだ。今日は、いい天気だぞ。
さっきから、すずめが賑やかだよ。今日は暑くなりそうだな。
どした?起きるのか。無理をするなよ。待ってろ。今、起こしてやる。
お、すまん、すまん。ちょっと早かったか。スイッチが、え、と。
このくらいでいいか?大丈夫、今日は休みだ。明日の朝まで、ここにいるよ。
日曜の休みなんて、久しぶりだ。手違いがあったらしい。南浦和のスーパーが、
キャンセルだそうだ。心配ないよ。駐車場の警備だったら、いくつもあるさ。
俺は小柄だけど、体力だけが自慢なのは知ってるだろ。神は二物を与えず、だ。
お、朝食が来たな。取りに行ってくるよ。あ、どうも。ごくろうざんです。
おっと。は、はい。大丈夫です。あ、おはようございます。おはようございます。
は〜い、お待たせ。大宮さんだっけ、前に同じ部屋だった大柄な人。
今、ご主人に会ったよ。どっちが早く退院するか、競争だな。君の方が早いと思うぞ。
慌てなくていいよ。ゆっくり、食べたらいい。そうそう。あ、お茶か?
俺は、サンドイッチを買ってきた。俺も食べよう。昼は食堂で、カレーでも食べるさ。
思い出すなァ。西麻布のあの店、アマンドだっけ?よく、行ったな。
君は、サンドイッチの玉子は茹で玉子じゃなきゃ、いけないって。ははは。
昨日は与野の複合施設だったよ。アミューズメントって言うらしい。
それでなァ、昔の部下が家族で来たんだよ。ダメだな。つい、目をそらしちまった。
恥じることなんて、何もないのにな。一度に何十億と動かしていたのは、昔のことだ。
あの頃は、何も怖くなかったな。同期で部長代理まで上がったのは、俺だけだった。
夜は、君に会うのが楽しみだったよ。店に来るなって言われた時、驚いた。
これからは、昼間に会いたいって言ってくれた時は、飛び上がる思いだったよ。
君があれほど、身持ちが固かったなんて正直、以外だったんだ。
俺が君の家に転がり込んだのは、あの後すぐ…ん?寝ちまったか。寝顔も、綺麗だよ。
「川越さァん、ご気分は…ああ、お休みになられましたか。
じゃ、吉川さん、ちょっとナースセンターまで、いいですか?」
看護婦さん、あ、すみません。看護師さん、川越の容態はどうなんでしょう。
最近、よく眠るようですが。問題があるんでしょうか。
そうですか…ええ、身寄りはいない、と聞いております。両親を早く亡くしています。
ええ、結婚はしなかったようです。子供もいないはずです。私が、妻を亡くしてから、
もう12年、一緒に暮らしていますから。ええ、よく知っています。
そうですか。年内がやっと、ですか。そうですか。分かりました。宜しくお願いします。
目が覚めたか。気分はどうだ?ああ、いい。いい。無理して、しゃべらなくていいよ。
大丈夫、そのうち退院できるさ。「銀座かりん」と言われたほどの、君じゃないか。
随分と高い、競争率だったからな。思い出すよ。毎日、プレゼントの山だったもんな。
俺が定年になったら一緒に、摩周湖へ行く約束だったぞ。もう2年も待ったんだからな。
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