総務部庶務課

2008年07月26日

愛するビール、冷えた家族

No.00183

今年の冬は夏より暑かったりして…













滴る汗が、男の勲章と自分を慰める。カッターシャツにも汗がしみ込む。
今日は帰ったら、絶対にビールだ。キーンと冷えたビールだ。誰がなんと言おうと、
帰ったらビールだ。今朝は、冷凍庫にグラスを入れてきた。用意周到、準備万端。
暑い。暑い。本当に暑いのだ。今年は冬が、来ないのかも知れない。

帰宅したら、インターホンを押す。「私だ。」渋く決めるのだ。決して、焦ってはいけない。
静かに妻が開ける、玄関のドア。高く細く、そして艶やかな妻の声。妻は、実際よりも
10歳は若く見える。そう、私の自慢の妻なのだ。人も羨む、美人なのだ。
おまけに、優しく思いやりがある。私は、妻をとても大切にしている。

妻の後ろで迎える娘は、中学生だ。テニス部に入ったのは、母親の影響だった。
妻に似て、既に美しく自慢の娘だ。妻に似て、成績もいい。見せてもらった、
通知表も豪勢な数字が並んでいた。むしろ私に似ないで、よかったのかも知れない。
最近、彼がいるような口振りが気になるが今は、許そう。寛大を演じるのである。

おそらく息子も、玄関に迎えに出てくるだろう。小学生の息子は、姉と違って
落ち着きがない。私の幼少期に、瓜二つだ。膝や肘の擦り剥き、鼻の頭に絆創膏。
怪我など、男の勲章だ。男の子は、元気なほうがいいに決まっているんだ。
愛する3人の家族に迎えられれば、疲れも吹っ飛ぶ。私は本当に、幸せである。

いやァ、今日もよく働いた。真夏の得意先回りは、大変である。
課長がいい加減なことを言ったばっかりに、部下がお詫びして回るなんて
信じられない。まあいい。とにかく解決したんだ。脱水症状のチキンレース、
早く帰って、よく冷えたビールのために、昼食以降、水分摂取を控えてきたんだ。

ぴんぽ〜ん…ぴんぽ〜ん。「ハイ、どちらさん?」「私だ。」
「アンタ?今、忙しいけん、勝手に入ってきて。お客さん、来とるけえ。」
客は分かっている。道路にまで、下品な笑い声が聞こえてきとるが。
「あ、ご主人。お邪魔しとるけん。」「お邪魔してま〜す。」「ええがよ、ええがよ。」

「あ、アンタ。ゴメンやけどコンビニ、行ってビール買うてきて。もうないけえ。」
おい、奈緒子は?「ああ、そう言えば、まだ帰っとらんね。彼ができとるけえ。」
そんな、もう9時やぞ。間違いがあったら、どうすりゃ。ケータイ、鳴らせ。
「それより、早よビール、ビール。」「ご主人、すみませ〜ん。」「ええて、ええて。」

おかしい。美しいはずの妻は、どこにいるんだ。思えば、ついうっかり、
遊びのつもりが、できちゃった結婚である。娘も母親似で、顔も性格も悪い。
息子は気が小さく、ゲームばかりしている。そもそも、疲れて帰宅したハズが、
なぜ、使いっパシリなのだ。ブルブルブル。あ、妻から電話である。何だ?

「アンタ、何かつまみも適当に買うてきて。ビールは多めになァ。」
ブルブルブル。あ、まただ。「それとポテチと、アイス適当に。早よ、帰ってや。」
だいたい、何でこんなことをしなければ、いけないのだ。一家の主だぞ。
あ、すみません。120円、足りないのでこれ返します。すみません。すみません。




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あとがき
3時間睡眠が続いたせいか、爆睡してしまいました。7時間も寝たなんて、久しぶり。
蓄積疲労のせいか、悪い夢を見ているのかも知れません。あくまでもフィクションです。限りなく、ノンフィクションに近い…でも、私ではありません。



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2008年07月07日

笹の葉、さらさら

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No.00164

笹の葉、さらさら













引き摺る竹の、笹がさらさら、音がする。子供たちは、疲れて笹を引き摺っているのだ。
しかし、彼らの表情は一様に嬉しそうである。七夕は、日本人の美しい風物詩なのだから。
保育園や幼稚園に戻ると、楽しい短冊付けが始まる。引率者が持てばいいのだが、
子供たちも自分の手で、持ちたいのであろう。特に男の子は、そういうものである。

「ボクが持つゥ!」「ボクだよ〜!」じゃんけんで決める合理解決や、話し合いで決める
建設的思考などを経て、人間形成がなされていく。保母の立場では、微笑ましい空気に
成長過程を目の当たりにできる幸福がある。もちろん、疲労などを乗り越えて、の話だが。
時には腕ずくで奪取するも、少なからず社会性への参与であるに違いない。

そんな男の子たちを見守る女の子も、様々であろう。ひいきのツワモノがライバルから
争奪する雄雄しさに、イエローボイスで応援する者がいる。
当然、ライバル側の応援者も存在するために、代理戦争にまで発展しかねない。
引き金は、笹いな話なのである。

代理戦争に時には、流血の惨事が起こる。女の子の手にする武器には、引っかく爪がある。
これには怒号や嗚咽を伴う場合があるが、たいていの場合に捜査四課は出動しない。
おそらくは各組織が小さく、広域暴力団に指定されていないせいであろう。
善良なる市民は流れ弾に当たらないよう、距離を取るのが無難、と思われる。

そのヒイキする男の子、と言うのが入り口は、近所の馴染みだったりする。
また、保育園で知り合った息の合う相手だったりする。中には、その後の40年
以上も交際が続く話を聞いた事がある。もっとも、その二人は離婚したが。
運命の悪戯、なんて言葉を昔、聞いたが今頃そんな言葉は、こっ恥ずかしい。

争奪戦に汗を流す男の子を応援する女の子は、言わば自然な姿かも知れない。
強いオスにしか伴侶を見付ける権利がないのは、人間以外のすべてである。
人間であってよかった、とつくづく。残る時間に、かすかな期待が持てる。
浅き夢見し人の世は。酔いを忘れて唯悲し。泣くも笑うも唯独り。

短冊に思いをそれぞれ、書く文字のたどたどしさ。また、かわいいものである。
そもそも義務教育で教える文字であるが、年長組になると漢字が書けたりする。
親の教育とは、ありがたい。スタートラインを優遇されることによって、
今後の人生にさえ、影響を与える。「あのよろし」とか、文字が風にたなびく。

もっとも、風向きを察知して鞍替えする心変わり派の存在も、忘れてはならない。
金吾中納言小早川秀秋のように関が原で寝返るも、配下領民を思えば正当かも。
中には我関せず、興味すら持たない争奪戦で、そもそもの平和主義者も存在する
そのサマはまるで、笹を食べるパンダである。

お殿様に酒を勧められた、側室おつるの方の兄である八五郎。
「そちはささを食べるか?」の言葉に、「俺は大熊猫ではない。」と答えたかどうだか。
「かまわん。即答をぶて。」と言われ、側近の三太夫をぶってしまった。
江戸落語「八五郎出世」のような運命の悪戯…おっと、こっ恥ずかしい。






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2008年06月27日

Midnight window shoppinng

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No.00154

midnight window shopping














麻由ゥ〜、明後日の日曜、やっと実に会えるの。うん。最近、休日出勤が
多かったみたい。そう、日曜日の11時に伊勢丹のいつものとこ。うん。うん。
それでね、三鷹で見つけた、そうそう、あの店。うん。あそこのブラウス、着て、うん。
それでね、明日…え、ダメなの?じゃ、今から一緒に。うん。ごめん。見るだけ

「まったく、結香は計画性がないんだからァ。こんな時間にって。外から見ても、
 どうしよって言うのよ。値段も分からないじゃない。近いから、いいけど。
 あ、こんばんは。え?ええ、ちょっと駅まで。はい。お休みなさい…
 私って、何やってるのかしら。いくら親友だからって。まァ、いいけどォ。」

麻由ゥ〜、ごめんねェ〜、こんな時間に〜。だって、麻由にしか、言えないも〜ん。
うん、このブラウスなの。大人っぽくていい、と思わない?わかんないの。うん。
え、こっちのワンピー?うん、そりゃスタイルはいいって実は言ってくれるけど。
やっぱり、ブラウスよりワンピーがいいの?だって、男の好みは麻由の方がァ。

「よし、このワンピーで決まり。明日、買いに来いよ。うん。似合うって。
 それで、分かってるでしょうね。嫁入り前の麻由サマをこんな時間に、
 呼び出しておいて。うん。よしよし。創作料理だな。飲み放題も付けてよ、ね。
 前、焼き鳥屋だったとこでしょ?うん。あのオヤジ、カンジ良かったけどな。」

えっとォ、軽いウェーブで。そう、流れるような。ええ。前ですか?少し。はい。
カラーはいいです。このままで。はい。じゃ、お願いします。はい。はい…
切り過ぎたかなァ。ボーイッシュになっちゃった。まァ、いっかァ。
あれ、もうこんな時間。やっぱり、あの服、やめとこォ。高そうだしィ。

「おい、立川ァ。競馬、行こうぜ。高松も一緒だぞ。暇だろ。用意しろよ。」
「矢川先輩、おはよっす。今からっすか?今日は、ちょっ…ちょっと待ってください。」
「Rrrrrrr,rrrrrrr…あれ?」きゃっ、実からだわ。何?何?え?もう、9時じゃない。
「結香、出ねえから、いっかァ。先輩、お待たせっす。行きましょっか。」

「高松が夕方、予定あるそうだからよ、昼過ぎには解散だなっ。よし、行こうぜ。」
だめェ〜。やっぱり、あの服、買っとけば良かったァ。前髪、短く切り過ぎたから、
どの服も絶対、ダメ〜。もう、行きたくない〜。でも、さっきの電話って何?
え?もう10時じゃない。ダメ〜。もう、間に合わな〜い。どうしたらいいの〜?

「はい。え?結香、どうしたの、デートは?何か、あったの?ねえ、ねえ?泣いてるの?
 どうしたの?ね、何があったの?バカね。泣いてちゃ分からないでしょ。ねえってば。
 まだ、家?服?もう、あるもの着て、今からでも、行きなさいよ。待ってるわよ。」
麻由ゥ〜、3時になっても来ないの。やっぱり、いない。うん分かった。かけてみる。

ぴろろんぱろぴろぷっぴ〜。「ケイタイ、鳴ってる。結香じゃねえか。今頃…
「あ、悪い、悪い。突然、先輩から誘われちゃってさァ、行けなくなっちゃったんだよ。
 電話したけど、出なかっただろ?今からじゃ、遅くなるし。俺、明日は早いから。
 じゃ、またこ…あれ、もしも〜し。もしも〜し。切れちゃった。まァ、しょうがねえか。」




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2008年06月14日

ちゅい〜ん、がりがり

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No.00141

あ、間違えた・・・隣の歯だった













タイトルを見て、胸がときめいた方は早めに診察を受けたほうが宜しかろう。
そなたは歯科ではなく、精神科の方に行くこと、お間違えなきよう。
だいたい、歯科医の顔なんて見たくもないのである。彼らは、全く持ってヤクザだ。
人の弱みに付け込み、暴力を与えて金まで巻き上げるのだ。全容を暴露しようではないか。

しかも歯科医師会などと言う組織に属し、本来ならば暴対法の適用が妥当である。
捜査四科が放置していることも、癒着としか思えない。れっきとした広域暴力団なのだ。
「兄ちゃん、何ぞ困ったことあったら言うてくれたら、いつでも力になるさかいのォ。」
この言葉に安堵してはいけない。本当の地獄は、トラブル解決の依頼時から始まる。

だいたい、手口が卑怯である。生きていれば、歯が痛むことがあろうし虫歯もできよう。
赴けば、優しいポップ体や丸ゴシック体で看板を挙げている。色使いもパステル調なのだ。
おどろおどろしい行書体で書かれた暴力団事務所の看板の方が、よっぽど親切である。
あまっさえ、動物のイラストなど描いている知能犯も散見する。つい油断してしまうのだ。

彼らの行状は、筆舌に耐えない。今、使命感を覚えて声を荒げたいのだ。
受付で、うら若き女性がにこやかに応対するが、騙されてはいけない。
つい、この前まで不良学生だったりすること、稀ではない。笑顔の裏は恐ろしや。
さりげなく保険証の提示を求められ、つい見せてしまうのだ。

敬称を付けられ呼ばれるが、事件は待合室で起こっているんじゃない。
本当の地獄は、その奥の部屋で始まるのである。ご存じない方のために申し上げておく。
奥の部屋では、固定こそされないものの、身動きなどできようはずもない。
やがて、恐怖のあまり開けた口が当分、閉めることさえできないのだ。

それからが凄まじい。身動きもできず固まる自分に対し、あろうことか執拗な
痛めつけが始まる。時には、麻酔まで打たれるのをご存知か。
「痛かったら、言わんかい、アホンダラァ。このボケ、カス〜。」などと、
言語表現のディテールは記憶が薄れるが、類似する発言を受けているに違いない。

もうだめだ。一巻の終わり。先立つ不幸をお許し…永遠に続くとさえ、思われた。
「今日のところは、これくらいにしといたろやんけ。」と、まだ生きている。
次回の呼び出しを日時指定されるが、履行しない場合の恐怖など、想像に容易だ。
最初に微笑みで騙され保険証を見せたばかりか、問診票に電話番号まで書いている。

もちろん、それだけで済ますような輩ではない。保険証を取り上げられて帰れない。
返す引き換えに金銭の要求がある。時には、一ヶ月の生活費を凌ぐ金額を要求してくる。
刑法第249条の援用を望むが、おそらく上部組織が当局と結託している。
立件できた話を聞いたことがないのだ。かくして、泣き寝入りしてしまうのである。

裏ではレセプト請求と称し、毎月10日にはストックされた血税からも吸い上げる。
その額や凄まじく、自分たちから取り上げた金額の何と、3倍以上なのだ。
莫大な富を濡れ手に粟、と入手する恐るべき集団なのである。
今日は、午後一番に呼び出しである。せんせ、痛くしないでね。じゃ、お願いしま〜す。






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2008年06月11日

洗い流したい

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No.00138

せんたっきーふらいどちきん














入梅すれば快晴続き、というおかしな現象の年もあったが、改心したのかそれとも
石原良純氏が魔法を使っているのか知らないが、今年の梅雨時は本来の梅雨らしい。
そんなことが嬉しい年齢になったが、箸が転んでも笑ってしまう年頃、とは違う。
前述の石原良純氏は同じ、1962年生まれだがこの年代で、もし箸の転がる様を見て
笑っていれば、通報したほうが得策である、と思う今日この頃、いかがお過ごし?


何を言い出すか、と思われるだろうが今日は、洗濯をしたのである。
家族が多い主婦に言わせれば、「私なんか日に何度も洗濯機を回すのよ」と。
たぶん、力持ちなんだろう。自分は金と力が「なかりけり」の類なのである。
どんな色の男なのかは、色鉛筆で塗ってね。「おとうさんの絵を描いて応募しよう」
みたいなノリでいかがだろうか。だから、今日は洗濯したんだってば。


以前、PTAの仲間たちが集った時に、家事分担の会話になった。何もしてくれない、と
嘆く母に対し、父が「いつも、俺が洗濯してるだろ。」と言うものだから、
「洗濯は俺じゃなくて、洗濯機がするんやろ?無茶、言うたら往生しまっせ〜。」などと
からかった記憶がある。ごめんね!年上をからかっては、いけない。そのバチが当たったのか、よく若い女の子にからかわれてしまう。「好きよ!」だなんて、騙されないぞ。


だから、洗濯機で洗濯したんだってば。天気が良かったのである。日頃の行いは別。
独居中年は週1くらいのペースで、十分である。お、そこの御仁。察しがよろしい。
そう、下着もタオルも7枚以上、所有しておる。衣裳持ち、だなんてよしとくれ。
頻繁に洗濯しても、水と電気と洗剤と時間の無駄だよね。そうは思わない?
最近、洗剤が減ってきたから買わなきゃいけない。今まで、もらってたのにね。


だから、いつになったら洗濯機を回すの?実は、もう洗ったんだよね。
洗濯するのは気持ちがいい。もっと気持ちがいいことも、この年になると
知っているけど、今日は言わない。よい子は真似しないでね。
昔は洗濯板で洗ってたし、筝曲に「五段砧」と言うのがあるけど、砧で伸ばしたり。
「砧」って世阿弥の能にもあるし、世田谷区の地名にもある。


だから、もう干したんだってば。洗濯物って、洗濯機に放り込んだりするでしょ。
世間の中年オヤジなんか、中には一緒に、洗ってもらえない人もいるらしい。
会社で上司に叱られ、部下に蔑まれ、顧客になじられ、家では別に洗われて。
割り箸でつまむって信じられないのだが。でも色柄物は、分別しなきゃ。
独居中年は分別もしない。缶、瓶は第2水曜だって。あ、今日だ。急げや急げ。


ふう、危ないとこだった。回収車が来てた。ほんでもって、どこまで話したっけ。
そうそう、洗濯物を干したわけ。カゴに小さいタオルを敷いて、上にバスタオル。
反対側に、シャツ類を数えながら入れる。数の分だけハンガーを出してくるわけ。
バスタオルを手前に、あとで小さいタオルを向こう側。ハンガーにシャツ。残りは
タコ足にピンチ。で、何を洗い流したいかって?人生、全部に決まってるでしょ。






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2008年06月09日

薮野竹庵

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No.00136

医者を信用してもいけないし、疑ってもいけないのである
















売り掛け金が回収できないなどの提訴は、町奉行所の管轄である。
簡易裁判所または地方裁判所、というあたりなのだが足を赴き、「ちょっと、聞いてよ。」
などと言っても、裁判所も忙しい。「奉行所は、御用繁多であるゆえ…」などと、
まず門番に棒で跳ね返される。これを金融用語で「門前払い」というらしい。

まずは申請書に記入し、印紙税を納入しなければならないお役所仕事なのであるが、
この役目が建築用語で公事屋(くじや)といい、たいていは奉行所の近くにある。
遠方より来る場合もあるので、ホテルも兼ねていることもあるようだ。
公事屋で言い分をまとめて、書式に記入してくれる。取るに足らない申し出もあろう。

現在の弁護士と司法書士みたいな存在で、決してアホには勤まらぬ仕事である。
3の付く数字と3の倍数だけ、アホになる御仁もいらっしゃるようだが。
この弁護士は司法試験、司法書士は司法書士試験がある。くじ引きではなさそうだ。
どちらも法律に関する試験なのだが、公認会計士と税理士みたいな関係にある。

公認会計士は全般の知識、税理士は特化した知識が試験の出題範囲である。
そして司法試験は法律全般であり、中でも民法の物権と商法については、
司法書士試験の方が高度な知識を求められる。
司法書士は過去、代書屋などと哲学用語で呼ぶらしい。自分は、そう呼ばないが。

難しい試験を通過して取得した資格も、手腕とは別物であるとIT用語にもある。
同様な資格取得者に医師がいる。資格のない時代にはインチキ、まやかし、雨あられ。
身体がだるい。熱もあるようだ。医者にかかることが少ないものの、熱が下がらないのは
放置するに好ましくないのでは、なかろうか。仕方がないから、吾作は医者に行く。

この村にはどんな医者がいるものなのか、日頃に行かないから分からない。
吾作は携帯電話のi モードで検索した。あった、あった。地図をリンクしてみる。
黒井原を横切り、宇園川を渡り、紺屋ヶ峠の手前にある竹やぶの手前。
結構な距離だ。病人にはきつい。ああ、ここだここだ。薮野竹庵、と書いてある。

古びた庵、とても流行っているようには見えないが、背に腹は変えられぬ。
吾作は症状を告げ、風邪ではないか、と調合を依頼する。
素人見立ては、これだから困るとたしなめられて、しょげ返る。
何やら胃の腑に、取り付いているそうな。案ずるではない、と薮野竹庵。

帰宅後に、この妙薬を吸うがよかろう。災いが起こるゆえ、決して開けてはならぬ。
吸っても出なくなれば開かずに、そのまま捨てるのぢゃぞ。養生いたせい。
診察料に1分2朱も取られ、吾作は来た道を戻る。竹の皮で包まれた妙薬とやら、
さぞかし効用の望めるものであろう。気のせいか足取り軽く、熱も引いてきた。

帰宅して早速、例の竹の皮を取り出してみる。三角に折られた妙薬、
角の一つを口に運ぶ。ちうちう吸えば、心地よい酸味が腑に染み込む。
開けるな、と言われれば開けたくなるのが人情で。禁断の開封、パンドラの箱。
出てきたのは、一つまみの赤紫蘇。薮医者どころか、筍め。1分2朱、返しやがれ。





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2008年05月11日

野菜ジュース

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No.00107

おいしいか?こんなもの…え、ただ?もっとある?
















新入社員の頃、先輩に連れられて喫茶店に入る。
あまり喫茶店に行かない先輩だったが、昼休みに連れて行ってくれた。
自分は基本的に、先に注文したりしない。
ショットバーでもあるまいに、何でもいいからだ。

同行者が「コーヒー」と言えば、「それ、2つ」…作る方も楽である。
「ミルクティー」と言えば、「それ、2つ」…ミルクを入れるか、飲んで決める。
「お勘定」と言えば、「ごちそうさまです」…お金を払うことは、性に合わない。
第一、 新入社員の給与で喫茶店など、大富豪の息子がすることであろう。

先輩は「トマトジュース、ちょうだい」と、注文した。
喫茶店のお姐さんだったか、おばさんだったか、ニコっとして、
「二日酔いね」と言い、先輩は苦笑いで応える。
二人は、そういう関係だったのか…奥さんを溺愛してる、と誤解してたな。

まだまだ、ネンネの自分は二人が何かの、暗号を使ったものだとばかり。
トマトジュースが二日酔いにいい、なんて知らなかった。朝、飲めばいいのに。
もう、昼過ぎである。訳がわからない。でも本当に、二日酔いだったらしい。
すぐに誤解が解けてよかったね、先輩。勘違いする方がおかしい。

先日、知人が大量のサプリメントなるものを、押し付けられた。
断れなかったらしい。上代30万円。おそろしや。
その方は大量の処方薬を服用しているため、サプリメントなど不要だ。
おはじきでも、なさるがよかろう。相手なんか、しないからな。

ビタミンとか何とか、あまり興味がない。でも、野菜は好きである。
雨が続くと仕事もせずに、キャベツばかりをかじってた…人も、いたらしい。
どの野菜にビタミンの何とやら、が入っているとか気にしない。
出された物は、残さずいただくことにしている。

野菜が嫌いな人は嫌いで、いいではないか。食べられない人もいるのである。
玉葱が苦手なんです、と言われたら「いぬ年ですか?」と聞いてしまう。
同行する時、苦手なものが出たら自分の器に、放り込む方がいる。
代わりに肉とか要らないか、聞いてみる。野菜で、おなかがいっぱい。

外食する時に、財布を持たない癖がついた。同行者が払う、とてもよい習慣。
新入社員の頃から、余生を送る今でも変わらない。とてもよい習慣。
支払う方より高い時もある。サラダバーとか、大好きだ。自分だけ、注文。
昔、深夜23時になるとテレビでもサラダバー、サラダバーと言っていたような。

野菜ジュースをいただいた。自分の健康を意識してくれたらしい。いい人だ。
物をくれるのだから、いい人に決まっている。いい人にも多種、存在する。
いた方がいい人。いない方がいい人。どうでもいい人など…
世に必要性、既にどうでもいい自分が野菜ジュース。まァ、健康的だこと。







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2008年04月24日

シュレッダー

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No.00090

シュレッダー














気の毒にも、うどんの手動カッターに指を挟み、一部を切断なさった人がいた。
その人は、長さの違う指を武器に、プロ野球投手として功績を残された。
うどんの製麺機械の構造から、シュレッダー発明した人がいる。
世の中には頭のいい人が、いるものだ。と、ある会社の経営者だった。

事務機器メーカーである、その会社はホームページに、それを明記していない。
どっかに書いてあったのかも知れないが、ビールを飲みながら閲覧したので、
覚えていない。いろいろ探したのだが見つからないのは、白菜キムチも食べたせいだ。
おまけに餃子も食べたら眠たくなった。担当者さん、ごめんね。すごい発明なのに。

以前、男前の俳優が未開の地を探検したらしい。
照明さんやカメラさんの後に入るらしいが、とにかく大発見をする。
しかし控えめな彼は、決してそれの論文発表などしなかったらしい。
控えめな性格と、男前なところが自分に似ている。ふっふっふっ。

その事務機メーカーは同じくらい、控えめなのだ。
しかし自分は、このシュレッダーの恩恵を被っている。
お礼を言おう、と思ったが歩いたら遠いのでやめた。
八丁堀まで歩いていたら、倒れてしまうに違いない。

恋人じゃあるまいし、気軽にシュレッダーと読んでいるが、
本名は、ペーパー・シュレッダーと言うらしい。
不要紙意外もカットするものがいるようだ。
自分は他の物を、裁断する必要性にない。これで十分。

自分の財産を当てにしてか、DMが届く。
よくもまあ、こんなに見つけたと思う穀物の数、混ぜて炊くらしい。
見るからに毒々しい、まずそうな飲み物、悪役俳優もお変わりを頼んだ。
失礼にも痩せる道具の数々。果たして必要かどうか、自分を見たのか。必要です、はい。

自分の住所、氏名などを記載した封筒は捨てにくい。
別に「捨てないで。」と言われたことは、DM封筒に限って、今までなかった。
ゴミ袋から、間違ってこぼれようものなら近所の人たち、
「やっぱり、隠してたんやね。」「わざと質素にしても、品があるもの。」「男前だし…」

経済格差意識、余剰財産を悟られてはいけない。今は久々、財布に一万円札がある。
個人情報を含む、膨大な書類を裁断するのを、本来の目的として重宝している。
時間がかかるが、ご近所と軋轢を回避するため丁寧に裁断する。
本当にDMが増えた。次の国会で問題として、代表質問することも考慮しておこう。

最近、ビニール封筒のものがある。これは、シュレッダー加工し辛い。
機器に絡むのだ。まるで、酔っ払いであろう。
シュレッダーは自分の人生を、裁断してくれない。
生ゴミと一緒に、捨ててしまいたい過去を。










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皆様の温かさによりブログを始めて僅か2ヶ月で、ここまで来れたことを感謝します
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2008年04月23日

桜の思い出

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No.00089

バンダノサクラカエリノイロ、ハナハヨシノニアラシフク












今の季節、どこも桜の画像やイラストだらけ。
無理もない。今が娘盛りなのだ。鬼も十八、番茶も出端である。
ちやほやしていただけるのは、今だけである。そこな婦人、教えてあげなされ。
若い頃は、女性の誘いを断るのに苦労したものである。ふん、誰も知るまい。

高校を卒業した年であるから、昭和56年だっただろうか。
神戸ポートアイランドで、博覧会が開かれた。記憶に間違いがなければ、この時である。
イベント用だ、と思うが山積みされた缶コーヒーを、誰かが失敬。
それを見た人が「ご自由にお持ち帰りください」に、変えてしまった。

後は野となれ山となれ。抱えて走る者、群集心理も成れの果て。南無阿弥陀仏。
確か、5年後の大阪で同様の事件発生。もちろん会議室では起こらない。
今もたけなわ、大阪名物、造幣局の通り抜け。
ここで一儲けしようと青森県から、はるばるお越しのリンゴ販売業者。

喉が渇いて自販機、探して車を離れる。さても現る、心無き御仁。
トラックの荷台から、リンゴを掴んで持ち帰り。それ見たお方、抜け目ない。
「ご自由にお持ち帰りください」とばかり、次から次と、さあ大変。
車に戻る業者は、すれ違う。中には、抱えて走り去る者さえ出始めた。

他にも売りに来ているのか、と思ったかどうか。
車にたかる人、人、人。押すな押すな、の大騒ぎ。既にかなりの数が減る。
げにも哀れは、その業者。大阪は怖いトコ、泣くに泣けない、大赤字。
自販機のコーヒー、5年前のメーカーか、は知らないが。

どちらも、ニュースの記憶なので見てきたわけではない。
しかし、通り抜けは行ってきたから、記憶に間違いない。
大阪市北区天満に造幣局がある。ここの桜は、大阪の自慢なのだ。
南門から北門までの一方通行、560m。期間限定、夜のライトアップ。

まだ幸せだった頃、夜の通り抜けに行ってきた。幸せは、行ったきり。
いろんな出店が、賑やかに。たこ焼き、綿あめ、当たり前。
その時、見世物小屋の初体験。
アレは時代劇のもの、とは固定概念、入力ミス。すぐに直せ、今すぐに。

「これなる、お姐さんが、」と紹介されるは、60過ぎた、お嬢さん。
生きた蛇を飲みこんだ、と思えば鼻から出した。
他にもいろんな、物を見せられた。センスが分からぬ未熟者。
23年前の500円、さあさあ高いか安いか。超満員。

桜を見るたび思い出す。おの婆さん、どこで練習したのやら。
くもった眼鏡が悲哀を誘う。咲き乱れる造幣局。乙女の姿、しばし留めん。
左近の梅が、桜に変わって随分、久しい。
あの頃の幸せ、どこへやら。





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2008年03月30日

テッシュペーパー

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No.00065

ティッシュペーパー















出掛け始めると連日、早朝に出掛けて深夜に戻ってくるし、
家を出ない時は、1週間に7日の在宅。1週間に10日、行ったりはしないのだ。
もしや近所の方は自分のことを、不審に思ってやしないだろうか。
どうやって生計を立てているんだろう、などと。

標準語で言うと「謎が多く、ミスティな存在」なのだが、
大阪弁では「われ、何しとんねやら、さっぱり分からへんやっちゃのォ」であり、
沖縄の方なら「うんじゅ、たァみィや〜」だそうで、
短縮形を用いることの多い津軽弁では「わけつわがね」らしい。

こう記述すれば、マドロスよろしく港毎に彼女がいるようであるが、
自分は身持ちが極めて固いこと、ことわっておきたい。
一応、中華人民共和国の方には「ちんうぇい、にんくいしん?」と言われたが念のため。
大韓民国の方に「そんはみ、おっとっけどぅしむにか?」と言われ…もう寝ても、いい?

さて長年も営業職に携わり、収入も良かったのであるが支出も大きい。
先日も知人とタイムリーな会話、暫定税率の行く末を語った。
早い話がガソリンの末端価格推移であるが、燃費の話に移行するのは必然。
平均燃費7km/Lの現在に対して「…も」と言う私、「…しか」と言う彼。

自身の自家用車を、持ち込むことの多かった経緯があるのだが、
そのくせホイールベースの短い車が、苦手であった。
バブル経済全盛期の頃、京都市内の転勤を命ぜられて
大阪市に住みながら名神高速で通勤した、アホな期間が存在する。

3の倍数と3のつく年齢に、アホになった自分であるが
その燃費で、日に200km以上の走行日さえ少なくなかった。
このあたりで道が分からなくなった方に、伝達したいのだが
自分は決して、運輸業ではない。

ところで風が吹いたら、昔は桶屋が儲かったらしい。
今なら、さしずめ製紙会社が儲かるのであろうか。

自分は、テッシュペーパーを買った記憶がない。
若年性認知症の告白ではない。事実、覚えがないのだ。

四輪の自家用車を、最初に持ったのが23歳の、結婚した年である。
当時から燃料消費が多く、地球温暖化の原因に、自分の存在が含まれるのが心苦しい。

「ガソリン満タンで、ティッシュ5箱プレゼント!」の看板、珍しくもなかった。
ガソリンスタンドは固定する性分であるが、先方から車に積んでおいてくれる。
相当量の消費をしている頃、定期的に段ボール箱ごと入れておいてもらえた。
自宅は当然である。そのおすそ分け、文語体で標準語だと「めかけ」、
大阪弁だと「おてかけさん」にも…だから身持ちは固いんだって。見栄くらい張らせてよ。

20年以上、テッシュペーパーを買わなくて済んだ自分も、
そろそろ在庫が底をついてきた。
やっと地球温暖化防止に自分も、参加できる嬉しさに
これからは鼻水も拭かないようにしよう、と思う。

もし、あなたが算盤、片手に持っている時に
花粉症でもないのに、鼻を垂らした中年オヤジを見掛けたら、リズミカルにお声を。
「♪ あなたのお名前、何てゆの?」





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2008年03月28日

ハブラシ、はみがき、歯磨き粉

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No/00063

ハブラシ、はみがき、歯磨き粉










「春が来たらしいな。」
「本当だな。」
朝も早くから、雀が何やら騒がしい。

暖かくなってきたので、そろそろ地球征服の野望に着手しようか、と思ったが
その前に、朝食を摂った。
働かなくても腹が減る。食べたら、片付けなければならない。
生きることは、何と煩わしいものか。

台所を片付けていると、食後の歯磨きを終えていないことに気付く。
考えたら、当たり前のことなんだ。食べて、すぐに片付けているんだから。
それが何だか、ひどく忘れていたような錯覚に思い始める。狼狽する。
娯楽番組、後でおどかす隠しカメラ、なんてやっているが芸能人でなくて良かった。
隠し撮りなんて、されようものなら若年性認知症と診断されかねない。

洗面には上下に、ハブラシを置いてある。
人生以外にも粗野な自分は、歯を磨く行為が乱暴なせいか、寿命が短い。
幸福の寿命も短いのだが、今はハブラシの話である。心して聞かれよ。
早くも使い古されたハブラシ、洗面の蛇口裏へ置くようにしている。

この弄ばれて、もとい役目を果たして、古くなったハブラシなのだが、
洗面周りの掃除をするに一役、買っている。
シルバー人材センターのようなもの、とお考えいただけるか。
価値は十分にある。適材適所を、知らないだけなのかも知れない。

ハブラシも新しい頃、それはよく働いたものである。
早朝から力仕事に耐え、深夜のもう寝る前というのに呼び出された。
昼間であろうが、何度も呼び出されること珍しくない。
雇用主が爽快な気分を手に入れるため、身を削って働いてきたのだ。

いつまでもイケメンなものか。外側にハネてはいるが、
経験と知識の自負、昔の部署には雇用需要がないものの、まだまだ働けるのである。
高度成長期を誰が支えてきた、と思ってやがる。
他人が嫌がる場所でも、厭わぬぞ。

てな、訳で洗面周りの汚れなどはシルバー人材センター、じゃなくて
古くなったハブラシで、汚れを取るようにしている。
細かいところにまで気が付いてくれて、ありがたい存在なのだ。
かつての同僚、台所や浴室にも再就職しているヤツがいることを、水の噂に聞いた。

先日、献血に行った時に記念品でいただいた。
この画像が、今のセットである。時々、人事異動があるようだ。
以前の人事構成で、液体ハミガキがあって自分と、相性が良かった。
今も自分は、液体ハミガキを用いる習慣だ。

この歯磨き粉なのだが、粉だった時代があるから、そう呼ばれるのであろう。
これは粉ではない。チューブに入るようになって、かなりの年月が経つ。

使わないから歯磨き粉ばかり、貯まる。お金は、貯まらない。
先日、先輩からパソコンと自転車をいただいた。
つり合いを取るため、使わない歯磨き粉を差し上げた。とても気分がいい。



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2008年03月26日

青い空なんか、白い雲なんか、大っきらいだァ〜!

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No.00061
空













今朝ですか?ええ、曇っていましたよ。
そうなんです。曇っていたんですよ。風まで吹いてね。

曇っていたからこそ、洗濯するのを延ばしたんです。

それが、どうです?いい天気になったじゃありませんか。

だめですよ。今からじゃ間に合いません。
もうすぐ外出するんですよ、珍しく。

今、布団がわめいています。光合成させてくれ〜って。
私はその声に、耳を塞いでいるんです。

だって、帰りは日が暮れた頃になるんですよ。
その時は、布団たちときたらもっと大きな声でわめく、に決まってるんだ。
早く、中に入れてくれ〜って。

それだけじゃない。
今はおとなしい、毛布たちや枕まで一緒になって騒ぎ始めるんですよ。
そのうち。ええ、間違いありません。今まで何度も、ありましたからね。
ご近所にも聞こえるし、恥ずかしいったらありゃしない

だから、だめなんですって。
もうすぐ出掛けたら、暮六ツの鐘まで帰れないんですから。

もういいじゃ、ありませんか。
どうせ、明日も明後日も明々後日も、
ずっとずっと、ず〜っと家に居るんですから。

洗濯だって、いつでもできるんです。
布団だって、いつでも干せるんです。
ええ、毛布だって。

だから、今日は珍しく外出するんですよ。
来て欲しいって言われたんですよ。
ええ。私だって、たまには仕事をするんですからね。

だから、普段は家にいるんですって。
先週の土曜日も、ええおりましたよ。
一歩も、出てなんかいないですよ。
来られたんですか?
ダメですよ。事前に電話してくれなきゃ。

そりゃ、遅くなったのは謝ります。
申し訳ありません、かおるさん。

でもインターホンなんか鳴らしたって、出ないですよ。

だから、出ません。
誰だか分からず、うっかりインターホンに出ようものなら、
「金、払え。」って言われますから…




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2008年03月21日

はたらく くるま

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No.00056
はたらくくるま
















地方で、アルバイト先も満足にない。そもそも、その高校はアルバイト禁止らしい。
厳格な規制でもなさそうだし、先生に見付かれば「生活費の足しに、」などと
言い訳だけは準備していた。
友人の紹介で、一緒に道路舗装のアルバイトをした。
と、言っても冬休みと春休みだけである。

高校1年生の冬休み、初日から出勤だ。
弁当を作って、まだ暗いうちから自転車を漕ぎ出す。
自分は気が弱いが当事、身体も弱かった。今は、頭まで弱い。
箸より重い物を持ったことがない。
その日はツルハシを持って、腰がふらついた。

勝手が分からないから、とにかく気疲れする。
真っ暗の中、帰宅したが泥のように、と形容したいくらい眠った。

運転席、助手席の後ろに、もう1列の座席がある。
ピックと呼ばれるトラックに、初めて乗った。
若かったのだろうが、高校生から見たらオバサンに見えた。
オバサンに挟まれて乗り、現場まで揺られた。いろいろ、聞かれるから答える。
「おにいちゃん、もう芽生えた?」質問内容に理解を伴わないため、答えなかった。

通りすがり、道路舗装現場を見られた方も、少なくないだろう。
ダンプがアスファルト材を落とす下で、ホッパーという特殊車両が受ける。
下から出るアスファルト材を、後ろへ均すホッパーなのだが、
温度が下がらないうちに、仕上げる必要がある。冷めれば加工しづらい。
ホッパーの周囲、ほとんどの人夫が集中する。

ずっと後ろで10t ローラーが仕上げる。
「のろまなローラーくん」という不朽の名作、ご存知であろうか。
このローラーに乗るオヤジ、60歳くらいだったように記憶する。
段々と要領が分かってきた頃、よく連れ出された。
アスファルトが、こびりつかないように水を掛ける。
申し訳ないくらい楽な作業である。どうやら、妙に気に入られたようだ。

10t ローラーのオヤジは、よく話しかけてきた。
「にいちゃん、お金が欲しいか。」当たり前のことを、聞かないで欲しい。
「いい、金儲けを教えてやろう。」返事に困る自分に、話を滑り出させる。
「銀行ギャングだ。あれは2人や3人でやるからダメなんだ。」

いたずらっ子のような無邪気な表情、初老の作り出す顔の意外性が記憶に残る。
「50人くらいで機関銃をぶっ放して…」よくもまァ、そんなことを。





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2008年03月09日

献血5

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献血山奥に住んでいると
献血の機会がない。
文部省唱歌と共に訪れる、
灯油を売る業者も
血は抜いてくれないようだ。

こう寒いと、アカイエ蚊やハマダラ蚊にヒトスジシマ蚊までいない。
おおかたリゾート地にでも慰安旅行に出掛けて、寛いでいるのであろう。
人の気も知らず、いい気なものである。

「本日はAB型の血液が不足しています。」「献血に、ご協力ください。」
と駅前や広場に停めた移動献血車の前で、献血を促す声が聞こえる。
寒空、白衣のユニフォームの上に白いコートを羽織り、誠にご苦労様である。

あのコートは貸与されたもので普段も奥の部屋、段ボール箱の中に眠っているようだ。
もし統一デザインの貸与品がなければ、従事者も寒風吹きすさぶ中に晒される。
自己防衛として自前の、通勤時に使用しているアイテムを用いなければならないだろう。
さてもコートが黒かったら献血者は気を削がれるに、違いない。
サイケデリックな紋様のコートに、「お願いしま〜す。」もないものである。
若い女性看護士が高価な毛皮のコートを羽織っていれば、どうだろう。
裕福な育ちであったりパパでなく、甘い声でパパァンとか呼んでいる方からの贈り物であったりする。清楚な彼女たち、私生活まで知る由もない。

「ちょっとおにいさん、寄ってかない?今なら、飲み放題よ。」などと、声を掛けられた訳ではない。
献血すれば牛乳がもらえる、と思っておられる年配の方は、認識を書き換えていただきたい。牛乳は、もらえません。お金もくれません。だから、くれないんだってば。
他府県は知らない。大阪府では清涼飲料水ベンダーを設置、飲み放題である。30杯、飲んでも係りの方が心配こそすれ、注意訓戒などない。試したことは、まだないが。

謙虚に誘導されて20歳の時、初体験をした。もちろん献血の、である。
以後、あまり献血を行っていなかった。軟禁され痛い思いをして、割りに合わない。
加齢と共に、自身の社会貢献度が視野に入った。
35歳くらいの時、愚にもつかぬ営業会議のあとで駅前をぶらついた。
もちろん勤務中であるが、そういうことのできる立場であった。
移動献血車に集う人たちを見て、自分も加わった。血なら余っている。

大阪府下、いくつかの献血ルームがある。中でも梅田の献血ルームは、大盛況である。
阪急グランドビルの25階にあり眺望、特筆すべきものがある。
大阪市内で勤務していた頃は当然の如く、享受してきた眺望である。
メジロの群、間近に見るような山の中に住めば、今となれば懐かしき眺めだ。
随分と感謝知らずであった、ような気がする。
さて、そこには清涼飲料水ベンダーもあり、クッキーまで置いてある。
もちろん、同時に5つほど口に放り込んでも誰も叱り付けたりしない。
これもやってみたことがない。推測で物を言ってしまった。申し訳ない。

退屈せぬよう雑誌の各種が取り揃えてある。大量にあるから、全容を知らない。
吉永小百合、岸恵子や赤木圭一郎の写真集があるかも知れない。
もしかしたら社会保険庁の無駄遣いリストもあるかも知れないが、探したことはない。
従事者も転勤が多く過去、他の献血ルームでお会いした方に再会することもある。
歓迎してくれ、また嬉しく感じる。近況を聞かれ、気の利いた言葉は見つからない。
「前々から想いを寄せていました。」とか言われたこともない。敢えて記述しておくが。

そもそも血の気が多いため、献血は望むところだ。
赤血球割合のヘマトクリット値が、自分は高い。
気のせいか、血を抜くと楽になった気がする。
半分ほど抜くと、完全に楽になれるらしい。残念ながら、試したことがない。
蚊に依存してもいいのだが、不要な土産を置いていきやがる。

余った血液で、誰かに役立つなら自身のレゾンデートルを認めることができる。
お金をくれなくても、こちらから赴きたくさせる。
気が付いたら回数も、3桁になっていた。



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2008年02月14日

4

193aacab.jpg 「春が来たので、チョイと潮干狩りに。砂を掻き分け・・・」という遊び歌を思い出した。古典的なものだが、品性を欠くので切り上げることにする。
 今まで、自然現象としての春到来を享受してきた。しかし精神的には、春を忘れた。膨大な時間のみ与えられた独居中年に、春は来ない。

 天気がよかったので、チョイと散歩に。外を歩けば、当然にして肌寒い。別に品性を欠く行動ではないので、散歩を続けた。最近は山本周五郎の長編に傾倒している。外出時、財布を持たなくても文庫本を携えることを忘れない。財布を持たなくても気にならないが、ハンカチを忘れると気持ち悪い方である。

 小さな公園で休憩する。靴を脱ぎ、脚を放り出す。「天下泰平、日々平安かァ。」などと、よぎる。独り言が嫌いだから、口に出すのは我慢している。
ちっとも平安ではない。別に食べなくても死なないはずの餃子を食したばかり、死にかけた方もいる。燃料代高騰に暖房費が賄えず、この世をはかなんだ方さえいるはずだ。時間と金を費やして門を叩いた病院に、HIV感染させられた方もいる。どこが平安なものか。
 
 過去、一年の殆んどをスーツ姿で過ごしてきた自分に、スニーカーを必要とする時は少なかった。そんなことを思いながら眺めてみる。いくらで買った物だろう。大して高額なはずはない。靴紐をオレンジに変えている。ささやかな遊び心である。革靴と違い、衝撃吸収性や装着感に優れている。自分は残りの人生で、どれほどの距離を歩くのであろうか。世界中でいろんな方が、不穏な空気のもとに暮らしておられる。それなりに平安で、艶やかな歌まで思い出す自分は、まったく以ってお気楽である。
 
 チャイコフスキーの「冬の日の幻想」がBGMで流れてきた。もちろん幻聴である。少しだけ読み進んだ文庫本を仕舞い、その靴を履いて立ち上がった。もう少し、歩いてから家に帰ることにしよう。


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2008年02月02日

健康診断4

20年間のサラリーマン生活の間、当然のように健康診断を受けた。
仕事の段取りが付かず指定日に受診できない人が、必ずいた。
わざわざ遠くの、別会場で受診することになり傍目からも大変そうであった。
結局、要領の悪い人はどこにでもいる。

あるサイトで、無料の健康診断をしていただけることを知った。
詳細は割愛するが、後日の検査を伴う。受診者は相当の数、集まっていた。
前日21時から水以外、摂取を制限されていたので受診が終わった午前中に
お腹が空くか、と思えばそうでもない。
しばらく車を走らせ、西宮北I.C.近くのうどん屋さんで食事。
いつ行っても満席に近い。待つ間に読む山本周五郎が、退屈させない。
どうやら「まだ生きよ。」と神が言っているような・・・


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2008年02月01日

風邪は万病の元3

一日、ソファで暖かくして寝ていたら回復。
風邪だったのか、ただの疲労か。

よく聞く話。「風邪ですから注射と抗生物質だけ、お願いします。」
患者は素人見立て、勝手に決め付ける。
電源が時々、切れる電化製品。「接触不良みたいです。」と、修理依頼が来るらしい。
素人は何も知らないから、強いものである。

「風邪は万病の元」と言う。いろんな病気が風邪に似た症状になるようだ。
と、すれば医者でもないのに風邪と決め付けることの、何と恐ろしや。

風邪のひき始めは栄養を摂り、暖かくして十分な睡眠を摂ればいいらしい。
食欲がなかったから何も食べず、ソファに毛布のうたた寝状態で、自分は回復。
ここにも素人がいた。恐ろしや、恐ろしや。


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2008年01月31日

鬼の撹乱1

今になって申し上げますが、昨夜の帰宅時に既に我を失っておりまして。
酒に酔って帰宅した訳じゃござんせん。
鬼の撹乱、ちょいとばかし身体がだるく、たぶん風邪かと・・・

本日は一日、寝ておりました。へェ、ソファの上で毛布を被り。


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